ビジネスにおいて迅速な対応というのは重要です
頼んだ事が「すぐに上がってくる。」ということ。
例えその出来具合が100点満点じゃなくても、早く上がってくればいろいろと対応が出来ます。
早さが多少の出来の悪さを相殺してくれるという副次的効果もあります。
(もちろん、完璧に早く仕上げられればベストではありますが…)
対クライアント、対社内、対チーム内など、
早く上げる、早くやる、というのはいろいろとポイントが高いでしょう。
では、とあるビジネスマンの彼のようなケースはどうでしょう?
すでに、ほぼほぼ出来ている資料があります。
あと、微調整すればクライアントに見せられる状態です。
もちろん抜かりない彼はラップトップPCを持ち歩き、
クラウド上から、いつでもそのファイルにアクセス出来る状態は言うまでもありません。
そこでクライアントから彼に電話が入ります。
「例の資料、出来てますか? 急に必要になったんです!」
普段電話はあまりないクライアントなので、慌てている様子…
もちろん、提示されていた締め切りはまだまだ先です。
「ほぼ出来ているので、すぐに送れますよ。」
とっさに彼はそう答えてしまいました。
「ありがとうございます!」
クライアントとの電話を終えて考えます。
実は今、彼は通勤中であり、会社までは歩いて5分くらいの所です。
ビルのエレベーターから自席について、ファイルを開いて、仕上げて送るのにプラス10分、いや15分はかかるでしょうか…
今から20分後に送って、「クライアントはすぐに送ってくれた」と思うでしょうか?
もしかしたら、デスクにかじりついて、まだかまだかと受信ボタンを連打しているかも知れません。
提出日が早まったということは、何か余程のことがあったのかも知れません。
彼の頭にそのビジュアルが思い浮かびます。
「そうだ、野良ITだ。」
会社はすぐそこですが、彼は手前にある公園に寄り、ウッディなベンチでラップトップをすぐさま開きます。
彼の判断は、
「いますぐ仕上げて送ればいい」
というものでした。
朝の通勤途中の公園は、鳥の鳴き声が聞こえ、澄んだ空気と晴れ渡った空にいくつかの雲が見えます。
まるで、ビジネスマンだけがタイムラプスのように足早にショートカットでその公園を通り過ぎていきます。
そう、この「はかどる空間」に気づかずに。
いつもはスルーする公園が、集中出来るワークスペースに変わった瞬間でした。
野良ITの集中効果があってか、ファイルを仕上げてメールをクライアントに送信するまで5分とかかりませんでした。
公園を後にして、会社のビルのエントランスをくぐった所でスマホに通知が来ました。
「迅速な対応ありがとうございました。」
それはクライアントからのメールでした。
思えば、クライアントは電話口で彼がいま外だと分かっていたのでしょう。
スマホ越しの街のノイズはそう伝えていました。
クライアントは「彼はまだ外だ…。すぐに送るとはいってたものの、いいとこ30分後、まあ、最悪1時間はかかるだろう」と思っていたのです。
出社前に一仕事終えた、彼のことを会社の仲間はこう呼んでいます。
「野良リーマン」と
続く(かどうかわからない)